長期的に聴力再増悪をきたした術後耳に対する鼓室形成術再手術症例の検討

中耳手術において一旦は改善した聴力が再増悪する症例は時折発生する。特に小児においては幼少期に手術を行い,以後成長と共に聴力悪化をきたしてしまうケースを散見する。今回当施設で初回手術を行い,2013年〜2022年の間に再手術を行った12例を検討した。年齢は11〜70歳,術式は9例をTEESで行った。聴力悪化が起こった際には耳小骨の固着や転位,鼓室肉芽など様々な原因を考えるが,実際に再手術を行った際の鼓室内および耳小骨の病態につき小児と成人に分けて検討を行った。TEESで行うことで,より伝音難聴の病態が把握しやすくなり,低侵襲なため患者側も再手術に対し,積極的に考えることが可能となった。...

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Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 3; pp. 325 - 329
Main Author 柴田, 敏章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.325

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Summary:中耳手術において一旦は改善した聴力が再増悪する症例は時折発生する。特に小児においては幼少期に手術を行い,以後成長と共に聴力悪化をきたしてしまうケースを散見する。今回当施設で初回手術を行い,2013年〜2022年の間に再手術を行った12例を検討した。年齢は11〜70歳,術式は9例をTEESで行った。聴力悪化が起こった際には耳小骨の固着や転位,鼓室肉芽など様々な原因を考えるが,実際に再手術を行った際の鼓室内および耳小骨の病態につき小児と成人に分けて検討を行った。TEESで行うことで,より伝音難聴の病態が把握しやすくなり,低侵襲なため患者側も再手術に対し,積極的に考えることが可能となった。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.325