永久気管孔の創傷治癒不全を生じた症例への対応

咽喉頭食道摘出術を行う場合,永久気管孔を作成する必要があり,化学放射線療法後の救済手術では縫合不全や断端壊死などを生じるリスクがある。気管孔トラブルを避けるための様々な工夫が検討されているが,創傷治癒不全を生じた症例への局所処置やカニューレ選択などに関しての報告は少ない。化学放射線療法後の頸部食道癌に対して咽喉頭食道摘出術後に永久気管孔創傷治癒不全を生じた症例において気管断端の創部治癒不全を生じた3例を提示し,局所処置やカニューレ選択などを検討した。気管断端壊死から気管孔の再形成に至るまでには,創部の状況に応じた局所処置と,気管孔の状態に合わせたカニューレ選択が必要と考える。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 32; no. 1; pp. 105 - 110
Main Authors 竹野, 幸夫, 河野, 崇志, 石野, 岳志, 築家, 伸幸, 永松, 将吾, 樽谷, 貴之, 濱本, 隆夫, 弓井, 康平, 上田, 勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2022
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.32.105

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Summary:咽喉頭食道摘出術を行う場合,永久気管孔を作成する必要があり,化学放射線療法後の救済手術では縫合不全や断端壊死などを生じるリスクがある。気管孔トラブルを避けるための様々な工夫が検討されているが,創傷治癒不全を生じた症例への局所処置やカニューレ選択などに関しての報告は少ない。化学放射線療法後の頸部食道癌に対して咽喉頭食道摘出術後に永久気管孔創傷治癒不全を生じた症例において気管断端の創部治癒不全を生じた3例を提示し,局所処置やカニューレ選択などを検討した。気管断端壊死から気管孔の再形成に至るまでには,創部の状況に応じた局所処置と,気管孔の状態に合わせたカニューレ選択が必要と考える。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.32.105