4 ライム病病原体の伝播機構について
ライム病は有毒シュルツェマダニの寄生により病原体 Borrelia burgdorferi sensu lato が移行して感染が成立する. 米国では I. scapularis の家兎への実験感染で, 寄生期間を72時間以上必要とする報告が見られる. 日本でこれまで22症例から病原体の分離に成功している. これらのうち20例は受診前に寄生ダニを自分で除去していた. 寄生最短は1日, 最長は7日(推定)である. 著者らはこれらの症例から, 病原体はマダニ除去の際に胴体部を押さえることにより, 体内から逆流して人体側へ侵入すると推測している. その理由として, 人体寄生マダニを外科的に切除した4...
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Published in | Medical Entomology and Zoology Vol. 48; no. 2; p. 154 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本衛生動物学会
1997
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ISSN | 0424-7086 2185-5609 |
DOI | 10.7601/mez.48.154_1 |
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Summary: | ライム病は有毒シュルツェマダニの寄生により病原体 Borrelia burgdorferi sensu lato が移行して感染が成立する. 米国では I. scapularis の家兎への実験感染で, 寄生期間を72時間以上必要とする報告が見られる. 日本でこれまで22症例から病原体の分離に成功している. これらのうち20例は受診前に寄生ダニを自分で除去していた. 寄生最短は1日, 最長は7日(推定)である. 著者らはこれらの症例から, 病原体はマダニ除去の際に胴体部を押さえることにより, 体内から逆流して人体側へ侵入すると推測している. その理由として, 人体寄生マダニを外科的に切除した4例のシュルツェマダニは有毒個体であったが, 皮膚組織への移行は認められなかった事実がある. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.48.154_1 |