肺癌術後気管支鏡を契機にMendelson症候群をきたした一例
76歳男性.右肺癌(腺癌)cT3N0M0に対し右肺上葉切除,胸壁合併切除を施行した.術後,leakの増悪と右肺野透過性低下を認めたため断端瘻が否定できず,第6病日に気管支鏡検査を施行.検査中に嘔吐,誤嚥しMendelson症候群をきたした.急速に進行する呼吸不全に対し人工呼吸管理を行い,ステロイド投与を開始した.急性期治療は奏功したが第66病日に血栓症併発と思われる心肺停止をきたし逝去した.Mendelson症候群は致死率が高く,また,術後という特殊な状況での治療は副次障害をきたしうる.病態や周術期の特徴を理解した治療選択が重要である....
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          | Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 6; pp. 666 - 670 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
    
        15.09.2020
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI | 10.2995/jacsurg.34.666 | 
Cover
| Summary: | 76歳男性.右肺癌(腺癌)cT3N0M0に対し右肺上葉切除,胸壁合併切除を施行した.術後,leakの増悪と右肺野透過性低下を認めたため断端瘻が否定できず,第6病日に気管支鏡検査を施行.検査中に嘔吐,誤嚥しMendelson症候群をきたした.急速に進行する呼吸不全に対し人工呼吸管理を行い,ステロイド投与を開始した.急性期治療は奏功したが第66病日に血栓症併発と思われる心肺停止をきたし逝去した.Mendelson症候群は致死率が高く,また,術後という特殊な状況での治療は副次障害をきたしうる.病態や周術期の特徴を理解した治療選択が重要である. | 
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI: | 10.2995/jacsurg.34.666 |