下血で発症した出血性十二指腸脂肪腫の1例

症例は75歳,男性.経皮的冠動脈ステント留置術後2日目に心窩部違和感と下血を生じた.内視鏡検査で十二指腸下行脚に潰瘍を伴う亜有茎性の軟らかい粘膜下腫瘍を認め,出血源と考えられた.CTではfat densityを呈する腫瘍を認め,脂肪腫と術前診断した.抗凝固療法を要するため内視鏡的切除は出血のリスクが高いと判断し,開腹下に腫瘍切除術を施行した.腫瘍径は40×16×12mmで,病理組織学的に脂肪腫と診断された.出血性十二指腸脂肪腫はまれであるが,出血の高リスク例では外科的治療を積極的に選択すべきと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 6; pp. 1524 - 1528
Main Authors 竹原, 清人, 荒田, 尚, 青木, 秀樹, 重安, 邦俊, 竹内, 仁司, 田中屋, 宏爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.1524

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Summary:症例は75歳,男性.経皮的冠動脈ステント留置術後2日目に心窩部違和感と下血を生じた.内視鏡検査で十二指腸下行脚に潰瘍を伴う亜有茎性の軟らかい粘膜下腫瘍を認め,出血源と考えられた.CTではfat densityを呈する腫瘍を認め,脂肪腫と術前診断した.抗凝固療法を要するため内視鏡的切除は出血のリスクが高いと判断し,開腹下に腫瘍切除術を施行した.腫瘍径は40×16×12mmで,病理組織学的に脂肪腫と診断された.出血性十二指腸脂肪腫はまれであるが,出血の高リスク例では外科的治療を積極的に選択すべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.1524