左房内へ穿通した飛来性心内異物の手術経験

症例は,37歳男性で右胸痛を訴え,近医を受診した.レントゲン写真にて心内異物を認め当院紹介となった.来院時,右胸壁に穿通口を認め,胸部レントゲン写真,胸部 CT で心臓内に約7cmの鉄線様の異物を認めた.前日の草刈作業中に右胸痛が出現しており,その際に発症した心内異物と診断し緊急手術を行った.術中所見で,異物は右肺を貫通し左房内に達していた.異物除去と損傷部分の修復を行い,術後経過は良好で感染兆候もなく軽快退院した.本邦では,飛来性の心内異物例は非常に稀と考えられ,文献的考察を加え報告する....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 306 - 309
Main Authors 新名, 克彦, 石井, 廣人, 桑原, 正知, 中村, 栄作, 中村, 都英, 松山, 正和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2008
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.37.306

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Summary:症例は,37歳男性で右胸痛を訴え,近医を受診した.レントゲン写真にて心内異物を認め当院紹介となった.来院時,右胸壁に穿通口を認め,胸部レントゲン写真,胸部 CT で心臓内に約7cmの鉄線様の異物を認めた.前日の草刈作業中に右胸痛が出現しており,その際に発症した心内異物と診断し緊急手術を行った.術中所見で,異物は右肺を貫通し左房内に達していた.異物除去と損傷部分の修復を行い,術後経過は良好で感染兆候もなく軽快退院した.本邦では,飛来性の心内異物例は非常に稀と考えられ,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.37.306