腹腔鏡下に切除した横隔膜脂肪腫の1例

症例は43歳,女性.検診での胸部X線検査で異常陰影を指摘され当科を受診した.胸部単純X線検査では右横隔膜より上方にテント状に突出する陰影を認め,腹部CT,MRI検査では腫瘍は右横隔膜と肝表面に挟まれて存在し,内部は脂肪濃度を呈した.原発部位は横隔膜または肝で,脂肪成分を主とする腫瘍と考えられ,2年前から増大傾向にあり悪性を否定できないため腹腔鏡下に腫瘍切除術を施行した.術中所見および切除標本の病理組織学的所見から横隔膜原発の脂肪腫と診断した.横隔膜脂肪腫はきわめてまれで本邦では自験例を含めて12例の報告があるのみである.今回,われわれは横隔膜脂肪腫を腹腔鏡下に切除した1例を経験したので文献的考...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 6; pp. 1457 - 1461
Main Authors 石田, 興一郎, 玉川, 孝治, 田伏, 克惇, 谷島, 裕之, 辻本, 武宏, 椿原, 秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.1457

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Summary:症例は43歳,女性.検診での胸部X線検査で異常陰影を指摘され当科を受診した.胸部単純X線検査では右横隔膜より上方にテント状に突出する陰影を認め,腹部CT,MRI検査では腫瘍は右横隔膜と肝表面に挟まれて存在し,内部は脂肪濃度を呈した.原発部位は横隔膜または肝で,脂肪成分を主とする腫瘍と考えられ,2年前から増大傾向にあり悪性を否定できないため腹腔鏡下に腫瘍切除術を施行した.術中所見および切除標本の病理組織学的所見から横隔膜原発の脂肪腫と診断した.横隔膜脂肪腫はきわめてまれで本邦では自験例を含めて12例の報告があるのみである.今回,われわれは横隔膜脂肪腫を腹腔鏡下に切除した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.1457