肺原発無色素性悪性黒色腫の一切除例

症例は69歳男性.検診にて胸部異常陰影を指摘され当院を受診した.胸部CTにて右S2に辺縁整な径2.2×2.0 cm大の腫瘍を認め,気管支鏡下肺生検を施行し原発性肺癌の診断を得て,胸腔鏡下右上葉切除,縦隔リンパ節郭清を施行した.術後の免疫組織学的検討から無色素性悪性黒色腫と診断した.皮膚,網膜,咽喉などの全身検索を行い,上部下部消化管内視鏡検査およびFDG-PET検査を施行したが,原発を示唆する異常所見を認めなかったため,肺原発無色素性悪性黒色腫と診断した.術後15ヵ月経過しているが,無再発生存中である.肺原発悪性黒色腫は現在までに27例が本邦で文献報告され,治療は大半が切除されている.予後は非...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 241 - 248
Main Authors 葛城, 直哉, 守尾, 篤, 中原, 和樹, 鈴木, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.28.241

Cover

More Information
Summary:症例は69歳男性.検診にて胸部異常陰影を指摘され当院を受診した.胸部CTにて右S2に辺縁整な径2.2×2.0 cm大の腫瘍を認め,気管支鏡下肺生検を施行し原発性肺癌の診断を得て,胸腔鏡下右上葉切除,縦隔リンパ節郭清を施行した.術後の免疫組織学的検討から無色素性悪性黒色腫と診断した.皮膚,網膜,咽喉などの全身検索を行い,上部下部消化管内視鏡検査およびFDG-PET検査を施行したが,原発を示唆する異常所見を認めなかったため,肺原発無色素性悪性黒色腫と診断した.術後15ヵ月経過しているが,無再発生存中である.肺原発悪性黒色腫は現在までに27例が本邦で文献報告され,治療は大半が切除されている.予後は非常に不良で多くが一年以内に死亡しているため,術後は十分な経過観察が必要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.241