完全切除後の術後再発時にG-CSF産生が顕在化した原発性肺扁平上皮癌の1例
症例は67歳男性.CTで左肺上葉S3に結節影を指摘され,精査の結果,臨床病期cT2aN0M0 cStage IBの肺癌(扁平上皮癌)と診断.左肺上葉切除術を施行(sT2aN0M0 sStage IB).病理組織結果は低分化扁平上皮癌(pT2aN0M0 pStage IB).術後76日目に発熱と左胸水貯留あり入院.膿胸が否定できず手術を施行.術中所見は胸膜播種であった.1,2回目の手術前の血清G-CSFはそれぞれ22.8,126 pg/mlであった.G-CSFの免疫組織化学染色は1回目の手術検体では陰性であったが,2回目の手術検体において腫瘍細胞が染色された.したがって完全切除後の術後再発時に顕...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 4; pp. 540 - 544 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.29.540 |
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Summary: | 症例は67歳男性.CTで左肺上葉S3に結節影を指摘され,精査の結果,臨床病期cT2aN0M0 cStage IBの肺癌(扁平上皮癌)と診断.左肺上葉切除術を施行(sT2aN0M0 sStage IB).病理組織結果は低分化扁平上皮癌(pT2aN0M0 pStage IB).術後76日目に発熱と左胸水貯留あり入院.膿胸が否定できず手術を施行.術中所見は胸膜播種であった.1,2回目の手術前の血清G-CSFはそれぞれ22.8,126 pg/mlであった.G-CSFの免疫組織化学染色は1回目の手術検体では陰性であったが,2回目の手術検体において腫瘍細胞が染色された.したがって完全切除後の術後再発時に顕在化したG-CSF産生腫瘍と考えた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.29.540 |