エンドセリン受容体拮抗薬が著効した心房中隔欠損症に伴うEisenmenger症候群の1例

重症心不全をきたした心房中隔欠損症に伴うEisenmenger症候群の症例に対しエンドセリン受容体拮抗薬,bosentanが著効を示した症例を経験した.病態改善の機序としては,bosentanによる直接的な肺動脈圧の低下に加え,拡大していた心および肺動脈によって引き起こされた無気肺が,肺動脈圧の低下に伴い改善したことが関与していると考えられた.予後不良の疾患群であるEisenmenger症候群に対し,bosentanが新たな治療選択となる可能性が示唆された....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 97; no. 10; pp. 2549 - 2551
Main Authors 加藤, 裕生, 大西, 孝幸, 川合, 宏哉, 岩佐, 直子, 平田, 健一, 宮川, 一也, 吉田, 明弘, 黒田, 祐一, 松尾, 直仁, 江本, 憲昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2008
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.97.2549

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Summary:重症心不全をきたした心房中隔欠損症に伴うEisenmenger症候群の症例に対しエンドセリン受容体拮抗薬,bosentanが著効を示した症例を経験した.病態改善の機序としては,bosentanによる直接的な肺動脈圧の低下に加え,拡大していた心および肺動脈によって引き起こされた無気肺が,肺動脈圧の低下に伴い改善したことが関与していると考えられた.予後不良の疾患群であるEisenmenger症候群に対し,bosentanが新たな治療選択となる可能性が示唆された.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.97.2549