経胸腹的に修復しえた外傷性横隔膜ヘルニア術後再々発の1例

外傷性横隔膜ヘルニアは,横隔膜が損傷し,腹腔内臓器が胸腔内に脱出することで生じる.手術が行われるが術後再発は稀である.今回,マダラエイ刺傷という稀な受傷機転から4年を経過した術後再発例を経験した.47歳女性,X-4年に,マダラエイに左側胸部から刺され,前医に搬送された.外傷性血気胸の診断で保存的に軽快した.半年後に左肩痛を訴え,横隔膜ヘルニアと診断された.腹腔鏡下横隔膜修復術が施行され,ヘルニア門を縫合閉鎖した.X-2年左前胸部痛を訴え,横隔膜ヘルニアの再発の診断.腹腔鏡下にヘルニア門を再縫合,メッシュを固定した.X年に左肩痛が再発,横隔膜ヘルニアの再々発を認め,当科紹介となった.メッシュと横...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 127 - 131
Main Authors 椙村, 彩, 乘松, 裕, 関原, 圭吾, 長阪, 智, 平井, 星映, 住谷, 隆輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2021
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.35.127

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Summary:外傷性横隔膜ヘルニアは,横隔膜が損傷し,腹腔内臓器が胸腔内に脱出することで生じる.手術が行われるが術後再発は稀である.今回,マダラエイ刺傷という稀な受傷機転から4年を経過した術後再発例を経験した.47歳女性,X-4年に,マダラエイに左側胸部から刺され,前医に搬送された.外傷性血気胸の診断で保存的に軽快した.半年後に左肩痛を訴え,横隔膜ヘルニアと診断された.腹腔鏡下横隔膜修復術が施行され,ヘルニア門を縫合閉鎖した.X-2年左前胸部痛を訴え,横隔膜ヘルニアの再発の診断.腹腔鏡下にヘルニア門を再縫合,メッシュを固定した.X年に左肩痛が再発,横隔膜ヘルニアの再々発を認め,当科紹介となった.メッシュと横隔膜の間から大網が胸腔へ脱出していたため,胸腔からヘルニア門を縫合閉鎖した.腹腔内操作でメッシュと横隔膜を再固定した.横隔膜ヘルニアの再発時に経胸腹アプローチでの修復が有用であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.127