腹腔鏡下肝切除術は手術部位感染の頻度を減少させたか 傾向スコアマッチングを用いた開腹下肝切除との比較検討

(背景)腹腔鏡下肝切除の手術部位感染(SSI)に対する影響は知られていない。(患者・方法)2007. 2016年に肝細胞癌に対し腹腔鏡下肝切除を施行した 193例(LH群)および開腹下肝切除を施行した 314例(OH群)に対し傾向スコアマッチングを行った結果,片群 117例ずつ抽出された。2群間の SSIを含めた治療成績に関して比較検討した。(結果)術後合併症の頻度は LH群で低かったが( P=0.038),SSIの頻度は 2群間で差は認められなかった(3例vs 6例, P=0.499)。切開創 SSIは LH群 1例 /OH群 4例( P=0.370)および臓器 /体腔 SSIは LH群 2...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 34 - 40
Main Authors 山添, 定明, 久保, 正二, 田中, 肖吾, 大平, 豪, 田内, 潤, 石原, 敦, 伊藤, 得路, 新川, 寛二, 木村, 健二郎, 竹村, 茂一, 西岡, 孝芳, 宮崎, 徹, 天野, 良亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 30.03.2019
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ISSN1349-5755
2434-0103
DOI10.24679/gekakansen.16.1_34

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Summary:(背景)腹腔鏡下肝切除の手術部位感染(SSI)に対する影響は知られていない。(患者・方法)2007. 2016年に肝細胞癌に対し腹腔鏡下肝切除を施行した 193例(LH群)および開腹下肝切除を施行した 314例(OH群)に対し傾向スコアマッチングを行った結果,片群 117例ずつ抽出された。2群間の SSIを含めた治療成績に関して比較検討した。(結果)術後合併症の頻度は LH群で低かったが( P=0.038),SSIの頻度は 2群間で差は認められなかった(3例vs 6例, P=0.499)。切開創 SSIは LH群 1例 /OH群 4例( P=0.370)および臓器 /体腔 SSIは LH群 2例 /OH群 2例に認められ( P=1.00),有意差はみられなかった。ただし完全腹腔鏡下 84例では切開創 SSIは認められなかった(P=0.087 vs OH群)。(まとめ)傾向スコアマッチングの結果,腹腔鏡下肝切除と開腹下肝切除では SSI発症率に差が認められなかった。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.16.1_34