複数の副甲状腺に嚢胞性変化を示した過形成性原発性副甲状腺機能亢進症の1例
症例は69歳, 男性. 2006年1月に胃癌 (4型) に対し, 当院消化器外科で幽門側胃切除+R-Y吻合を施行. 病理は低分化腺癌T3 N0 P1 H0 M0 CY1 Stage IV. 術前からかゆみ, 関節痛も存在し, さらにCa, intact-PTHの高値を指摘されており, 術後に当科紹介となった. 腎結石の既往が3回あり. 頸部に明らかな腫瘤を触知しない. 血液検査ではCa 10.2mg/dl, intact-PTH 128pg/mlと高値を示した. 頸部超音波検査では左下副甲状腺嚢胞を疑う所見であった. 2006年2月に手術. 術中病理検査で, 左下の副甲状腺 (PT) だけでな...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 8; pp. 1903 - 1907 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.68.1903 |
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Summary: | 症例は69歳, 男性. 2006年1月に胃癌 (4型) に対し, 当院消化器外科で幽門側胃切除+R-Y吻合を施行. 病理は低分化腺癌T3 N0 P1 H0 M0 CY1 Stage IV. 術前からかゆみ, 関節痛も存在し, さらにCa, intact-PTHの高値を指摘されており, 術後に当科紹介となった. 腎結石の既往が3回あり. 頸部に明らかな腫瘤を触知しない. 血液検査ではCa 10.2mg/dl, intact-PTH 128pg/mlと高値を示した. 頸部超音波検査では左下副甲状腺嚢胞を疑う所見であった. 2006年2月に手術. 術中病理検査で, 左下の副甲状腺 (PT) だけでなく, 左上のPTも嚢胞性腫瘤であったため, 過形成の可能性を考慮し, 対側の検索を行った. そこで右下のPTも腫大していたため, 4腺全摘を行った. 術後経過は良好で, Ca, intact-PTHは速やかに低下した. 永久病理検査では, 左下PTは嚢胞であり, 他は過形成であった. その後当院消化器外科で胃癌に対して化学療法を行ったが, 胃癌術後3カ月で永眠された. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.1903 |