腫瘍内に甲状腺癌微小転移が合併した肺扁平上皮癌の1切除例

症例は72歳,女性.他医にて甲状腺乳頭癌の診断で甲状腺全摘および頸部リンパ節郭清が行われていた.咳嗽のため近医受診した際,胸部レントゲン上,結節影を指摘されて当院紹介となり増大傾向のため手術となった.術中迅速診断で肺癌の診断であり右下葉切除,ND2aを施行した.術後病理では高分化で角化著明な扁平上皮癌であり,腫瘍内に微小乳頭癌が4カ所みとめられた.主腫瘍と離れた正常肺組織内にも同様の乳頭癌の微小病変が散在していた.免疫染色でサイトケラチンは扁平上皮癌,乳頭癌ともに陽性,サイログロブリンでは乳頭癌のみが陽性であり原発性肺扁平上皮癌と甲状腺乳頭癌肺転移の合併と診断した.稀な病態と考えられ文献的考察...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 1660 - 1664
Main Authors 濱崎, 景子, 佐野, 功, 中崎, 隆行, 谷口, 英樹, 清水, 香里, 進藤, 久和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.1660

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Summary:症例は72歳,女性.他医にて甲状腺乳頭癌の診断で甲状腺全摘および頸部リンパ節郭清が行われていた.咳嗽のため近医受診した際,胸部レントゲン上,結節影を指摘されて当院紹介となり増大傾向のため手術となった.術中迅速診断で肺癌の診断であり右下葉切除,ND2aを施行した.術後病理では高分化で角化著明な扁平上皮癌であり,腫瘍内に微小乳頭癌が4カ所みとめられた.主腫瘍と離れた正常肺組織内にも同様の乳頭癌の微小病変が散在していた.免疫染色でサイトケラチンは扁平上皮癌,乳頭癌ともに陽性,サイログロブリンでは乳頭癌のみが陽性であり原発性肺扁平上皮癌と甲状腺乳頭癌肺転移の合併と診断した.稀な病態と考えられ文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.1660