肺Mycobacterium avium complex症に対する二期的両側肺切除術

内科治療に抵抗性の肺非結核性抗酸菌症(NTM)においては病状コントロール目的で外科治療が必要となる場合がある.手術に際して主病巣は一側肺に限局していることが望ましい.しかし肺NTM症例の中には両側に気道破壊性病変を有する症例も存在する.2010年1月~2017年12月に当院で肺MAC症に対して手術を行った184例中,二期的に両側肺切除術を行った症例7例について検討を加えた.全例が女性で,結節気管支拡張型が5例,結節・気管支拡張型と線維空洞型とを有する混合型が2例であった.術前の化学療法期間は44.7±70.4ヵ月(中央値15.0ヵ月)であり,5例は右→左,2例は左→右の順に二期的に両側手術を施...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 387 - 393
Main Authors 吉田, 勤, 東郷, 威男, 下田, 清美, 平松, 美也子, 白石, 裕治, 渥實, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2019
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.33.387

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Summary:内科治療に抵抗性の肺非結核性抗酸菌症(NTM)においては病状コントロール目的で外科治療が必要となる場合がある.手術に際して主病巣は一側肺に限局していることが望ましい.しかし肺NTM症例の中には両側に気道破壊性病変を有する症例も存在する.2010年1月~2017年12月に当院で肺MAC症に対して手術を行った184例中,二期的に両側肺切除術を行った症例7例について検討を加えた.全例が女性で,結節気管支拡張型が5例,結節・気管支拡張型と線維空洞型とを有する混合型が2例であった.術前の化学療法期間は44.7±70.4ヵ月(中央値15.0ヵ月)であり,5例は右→左,2例は左→右の順に二期的に両側手術を施行した.初回手術と2回目との手術間隔は8.0±4.1ヵ月であった.2回目術後からの化学療法継続期間は28.6±21.7ヵ月であり,38.7±27.9ヵ月の観察期間で再燃・再発を認めた症例はなかった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.387