後腹膜膿瘍の胸腔内穿破に起因する膿胸に対して,開窓術後に局所陰圧閉鎖療法により残存腔を閉鎖し得た1例
67歳男性.他院で胸腹部大動脈瘤術後に横行結腸左側からS状結腸にかけて壊死となり,左半結腸切除術及び横行結腸ストマ造設を施行された.後腹膜膿瘍を生じ,ドレナージ加療にて一旦軽快したが再燃し,左胸腔内に穿破し膿胸となり当科に紹介された.開窓術後,横隔膜の瘻孔が自然に閉鎖し,その後に局所陰圧閉鎖療法を実施した.残存膿胸腔のうち,肋骨横隔膜角腹側の腔は肉芽形成により閉鎖され,植皮術のみで創を被覆することが出来た.完全上皮化後2年10ヵ月に他病死されたが,感染の再増悪は認めなかった....
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| Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 2; pp. 145 - 149 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.03.2019
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI | 10.2995/jacsurg.33.145 |
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| Summary: | 67歳男性.他院で胸腹部大動脈瘤術後に横行結腸左側からS状結腸にかけて壊死となり,左半結腸切除術及び横行結腸ストマ造設を施行された.後腹膜膿瘍を生じ,ドレナージ加療にて一旦軽快したが再燃し,左胸腔内に穿破し膿胸となり当科に紹介された.開窓術後,横隔膜の瘻孔が自然に閉鎖し,その後に局所陰圧閉鎖療法を実施した.残存膿胸腔のうち,肋骨横隔膜角腹側の腔は肉芽形成により閉鎖され,植皮術のみで創を被覆することが出来た.完全上皮化後2年10ヵ月に他病死されたが,感染の再増悪は認めなかった. |
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI: | 10.2995/jacsurg.33.145 |