気管分岐部浸潤肺癌に対してdouble-barrel変法による分岐部再建を行った一例
症例は57歳女性.健診での喀痰細胞診で異常を指摘.精査の結果,気管分岐部に隆起性病変を認め,生検の結果扁平上皮癌と診断された.病変は気管分岐部から右は4軟骨輪,左は2軟骨輪に及んでおり,気管分岐部切除+右肺上葉管状切除を施行し,再建にはdouble-barrel変法を用いた.術後は吻合部の虚血や狭窄所見などの合併症を認めず経過し,現在術後2年半無再発生存中である.double-barrel変法による気管分岐部再建は吻合部の張力を最小限とし,断端の血流を確保することができ,切除範囲が比較的広い分岐部肺癌の症例にも有用と思われた....
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 460 - 465 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.05.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.33.460 |
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Summary: | 症例は57歳女性.健診での喀痰細胞診で異常を指摘.精査の結果,気管分岐部に隆起性病変を認め,生検の結果扁平上皮癌と診断された.病変は気管分岐部から右は4軟骨輪,左は2軟骨輪に及んでおり,気管分岐部切除+右肺上葉管状切除を施行し,再建にはdouble-barrel変法を用いた.術後は吻合部の虚血や狭窄所見などの合併症を認めず経過し,現在術後2年半無再発生存中である.double-barrel変法による気管分岐部再建は吻合部の張力を最小限とし,断端の血流を確保することができ,切除範囲が比較的広い分岐部肺癌の症例にも有用と思われた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.33.460 |