急性膿胸に対するウロキナーゼ胸腔内注入線維素溶解療法の検討

ドレナージ困難となった急性膿胸に対して胸腔内線維素溶解療法の有用性が報告されているが,その有効性や安全性は十分に確立されていない.当院でウロキナーゼ胸腔内線維素溶解療法を行った急性膿胸7例を対象にレトロスペクティブに検討した.男性6例,女性1例,平均年齢65.0歳であった.統合失調症やアルコール多飲,高血圧などの併存疾患が5例で認められ,Performance status(PS)はPS 1が3例,PS 2-3が4例であった.ウロキナーゼの平均投与回数は2.9回,7例中6例で改善した.改善した6例のドレーン留置期間は平均6.7日間であった.出血やショックなどウロキナーゼ胸腔内投与による重篤な副...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 5; pp. 301 - 305
Main Authors 生田, 安司, 木下, 義晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.07.2020
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.34.301

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Summary:ドレナージ困難となった急性膿胸に対して胸腔内線維素溶解療法の有用性が報告されているが,その有効性や安全性は十分に確立されていない.当院でウロキナーゼ胸腔内線維素溶解療法を行った急性膿胸7例を対象にレトロスペクティブに検討した.男性6例,女性1例,平均年齢65.0歳であった.統合失調症やアルコール多飲,高血圧などの併存疾患が5例で認められ,Performance status(PS)はPS 1が3例,PS 2-3が4例であった.ウロキナーゼの平均投与回数は2.9回,7例中6例で改善した.改善した6例のドレーン留置期間は平均6.7日間であった.出血やショックなどウロキナーゼ胸腔内投与による重篤な副作用は認められなかった.手術が選択し辛い症例に対してウロキナーゼ胸腔内線維素溶解療法は簡便であり副作用のリスクも少なく,考慮すべき治療法の1つであることが示唆された.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.34.301