全身関節痛を伴った肉芽腫性乳腺炎の1例
症例は37歳,女性.2009年3月末より右乳房CD領域に圧痛・熱感を伴う径7cm大の硬結を自覚し,4月,自潰し排膿を認めたことから当科外来初診となった.38℃の発熱を認め,血液検査でも炎症反応が高値であった.乳房超音波検査で右乳房全体に低エコー領域を認めた.針生検では,乳管周囲に類上皮細胞・組織球・リンパ球・形質細胞の浸潤と多核巨細胞を認め,悪性所見は認めなかった.外来で切開排膿した.5月より全身関節痛が出現した.血液検査上,自己免疫性関連抗体は陰性であり,肉芽腫性乳腺炎に伴う全身関節痛と診断し,7月よりステロイドの内服を開始した.関節症状・乳房所見ともに軽快し,2010年1月に投与を中止した...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 1695 - 1699 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2011
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.72.1695 | 
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| Summary: | 症例は37歳,女性.2009年3月末より右乳房CD領域に圧痛・熱感を伴う径7cm大の硬結を自覚し,4月,自潰し排膿を認めたことから当科外来初診となった.38℃の発熱を認め,血液検査でも炎症反応が高値であった.乳房超音波検査で右乳房全体に低エコー領域を認めた.針生検では,乳管周囲に類上皮細胞・組織球・リンパ球・形質細胞の浸潤と多核巨細胞を認め,悪性所見は認めなかった.外来で切開排膿した.5月より全身関節痛が出現した.血液検査上,自己免疫性関連抗体は陰性であり,肉芽腫性乳腺炎に伴う全身関節痛と診断し,7月よりステロイドの内服を開始した.関節症状・乳房所見ともに軽快し,2010年1月に投与を中止した.投与中止から1年経過し,症状の再燃なく当科外来通院中である. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.72.1695 |