両側閉鎖孔ヘルニア術後に遺残膿瘍を併発した1例
症例は79歳,女性.下腹部痛,両下肢大腿部痛を主訴に当院受診.CTにて両側閉鎖孔ヘルニアを認め,緊急手術を施行した.左閉鎖孔に嵌頓した小腸が穿孔しており,小腸部分切除・ヘルニア門単純閉鎖術を施行した.術後第9病日に左大腿部痛を訴えられ精査したところ,閉鎖孔内に遺残膿瘍が認められた.エコーガイド下に経皮的ドレナージ術を施行し軽快した.閉鎖孔ヘルニアはCT等の画像診断の発達により,近年報告例が多い疾患となったが,その手術方法はまだ完全には確立されていない.今後,遺残膿瘍を考慮した術式の選択が必要であると考えられた....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 6; pp. 1659 - 1662 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2010
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.71.1659 |
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Summary: | 症例は79歳,女性.下腹部痛,両下肢大腿部痛を主訴に当院受診.CTにて両側閉鎖孔ヘルニアを認め,緊急手術を施行した.左閉鎖孔に嵌頓した小腸が穿孔しており,小腸部分切除・ヘルニア門単純閉鎖術を施行した.術後第9病日に左大腿部痛を訴えられ精査したところ,閉鎖孔内に遺残膿瘍が認められた.エコーガイド下に経皮的ドレナージ術を施行し軽快した.閉鎖孔ヘルニアはCT等の画像診断の発達により,近年報告例が多い疾患となったが,その手術方法はまだ完全には確立されていない.今後,遺残膿瘍を考慮した術式の選択が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.71.1659 |