麻酔薬と記憶
術中覚醒とは術中に意識が回復する事態だが, 術後記憶が保持されれば外傷後ストレス障害に帰着しうる. よって術中覚醒について論じる場合, 使用される麻酔薬の記憶に対する薬理作用が明らかにされなければならない. 記憶の実験的モデルである海馬の長期増強 (LTP) の誘導を後からの投与で阻止するものとしては代謝性グルタミン酸受容体の拮抗薬があるが, 術中覚醒時の使用が論議されるベンゾジアゼピンよりも, 術中覚醒後の記憶形成の阻止には有用かもしれない....
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 191 - 202 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2008
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.28.191 |
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Summary: | 術中覚醒とは術中に意識が回復する事態だが, 術後記憶が保持されれば外傷後ストレス障害に帰着しうる. よって術中覚醒について論じる場合, 使用される麻酔薬の記憶に対する薬理作用が明らかにされなければならない. 記憶の実験的モデルである海馬の長期増強 (LTP) の誘導を後からの投与で阻止するものとしては代謝性グルタミン酸受容体の拮抗薬があるが, 術中覚醒時の使用が論議されるベンゾジアゼピンよりも, 術中覚醒後の記憶形成の阻止には有用かもしれない. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.28.191 |