大腸手術後創感染に対する創処置法の改善とその経済的効果
術後創感染を伴う患者の入院期間短縮を目的に感染創の処置法を変更した.2000年1月から2006年6月までに当科で施行した大腸手術中,創感染をきたした200例を対象に,変更前の2004年9月までを前期,変更後の同10月以降を後期とし術後在院期間などを検討した.前期(n=146)では,創を開放後,消毒しガーゼで被覆した.後期(n=54)では,創洗浄しアルギン酸塩創傷被覆剤を充填した.また患者へは自己洗浄処置を指導した.創感染発症までの期間は差がなかったが,術後平均在院日数は前期44.18±29.0日vs.後期25.1±16.9日(ρ=0.0009),総医療費は前期22.6±17.1万点vs.後期1...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 6; pp. 1308 - 1316 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.69.1308 |
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Summary: | 術後創感染を伴う患者の入院期間短縮を目的に感染創の処置法を変更した.2000年1月から2006年6月までに当科で施行した大腸手術中,創感染をきたした200例を対象に,変更前の2004年9月までを前期,変更後の同10月以降を後期とし術後在院期間などを検討した.前期(n=146)では,創を開放後,消毒しガーゼで被覆した.後期(n=54)では,創洗浄しアルギン酸塩創傷被覆剤を充填した.また患者へは自己洗浄処置を指導した.創感染発症までの期間は差がなかったが,術後平均在院日数は前期44.18±29.0日vs.後期25.1±16.9日(ρ=0.0009),総医療費は前期22.6±17.1万点vs.後期13.4±4.1万点(ρ=00013)と有意に減少した.大腸・直腸手術の術後創感染において,創の開放ドレナージ・洗浄・アルギン酸塩創傷被覆剤・患者への啓蒙・指導が入院期間・入院費用削減に有用であった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.69.1308 |