111In-ペンテトリオチド・ソマトスタチン受容体シンチグラフィーが再発・病期診断に有用であった肺カルチノイドの2症例

ソマトスタチン類似物質111In-ペンテトリオチドを用いたソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS,オクトレオスキャンⓇ)が本邦では2015年に保険収載され,ソマトスタチン受容体を発現するカルチノイド腫瘍に対して使用できるようになっている.症例1は77歳男性,肺定型カルチノイド(stage IA)に対して右肺中葉切除後,術後6年8ヵ月のCT検査で気管分岐下リンパ節腫大を認めた.FDG-PET/CTでは淡い集積のみであったがSRSで強い集積を認めたためカルチノイドの転移再発と判断し,縦隔リンパ節郭清を施行した.症例2は76歳男性,胸部CT下検査で右上葉肺腫瘤とそれに連続し上葉気管支入口部に至...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 6; pp. 654 - 660
Main Authors 岡田, 悟, 加藤, 大志朗, 下村, 雅律, 井上, 匡美, 石川, 成美, 常塚, 啓彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2020
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.34.654

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Summary:ソマトスタチン類似物質111In-ペンテトリオチドを用いたソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS,オクトレオスキャンⓇ)が本邦では2015年に保険収載され,ソマトスタチン受容体を発現するカルチノイド腫瘍に対して使用できるようになっている.症例1は77歳男性,肺定型カルチノイド(stage IA)に対して右肺中葉切除後,術後6年8ヵ月のCT検査で気管分岐下リンパ節腫大を認めた.FDG-PET/CTでは淡い集積のみであったがSRSで強い集積を認めたためカルチノイドの転移再発と判断し,縦隔リンパ節郭清を施行した.症例2は76歳男性,胸部CT下検査で右上葉肺腫瘤とそれに連続し上葉気管支入口部に至る病変を認め,気管支鏡検査で肺異型カルチノイドと診断した.SRSでFDG-PET/CTでは指摘し得なかった右腸骨の病変を認めたため,MRIを追加し肺カルチノイドの骨転移と診断した.SRSは,肺カルチノイドの再発・病期診断に有用な可能性があると考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.34.654