胸腔鏡手術における胸膜欠損部の縫合修復の工夫:ループ針を用いた連続縫合とポリグリコール酸シートによる縫合部の被覆

開胸手術と同様に胸腔鏡下肺切除手術においても,術中に生じた胸膜欠損部を縫合修復することは必要とされる手技である.大きな欠損部に対しては連続縫合による閉鎖が有用であるが,胸腔鏡下では煩雑な手技となる.胸膜欠損部の縫合修復において,ループ針を用いた連続縫合により結紮操作を簡便にし,長糸のループ針を使い針の持ちかえや糸たぐりを体外で行うなど,連続縫合で行う作業の多くを体外で行うことで胸腔鏡下での作業を簡略化した.この方法は術中のトラブルも少なく,術後の気漏も許容範囲内であり,胸腔鏡下手術において施行可能な簡便な方法と思われ紹介する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 5; pp. 650 - 654
Main Authors 大森, 謙一, 武田, 伸一, 船越, 康信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.650

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Summary:開胸手術と同様に胸腔鏡下肺切除手術においても,術中に生じた胸膜欠損部を縫合修復することは必要とされる手技である.大きな欠損部に対しては連続縫合による閉鎖が有用であるが,胸腔鏡下では煩雑な手技となる.胸膜欠損部の縫合修復において,ループ針を用いた連続縫合により結紮操作を簡便にし,長糸のループ針を使い針の持ちかえや糸たぐりを体外で行うなど,連続縫合で行う作業の多くを体外で行うことで胸腔鏡下での作業を簡略化した.この方法は術中のトラブルも少なく,術後の気漏も許容範囲内であり,胸腔鏡下手術において施行可能な簡便な方法と思われ紹介する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.650