ウルソデオキシコール酸投与中に自己免疫性肝炎が増悪したPBC-AIH overlap症候群の1例

症例は,54歳女性.平成13年3月よりPBC-AIH overlap症候群の診断のもと外来にてUDCA投与で良好にコントロールされていた.平成16年1月の定期受診時の血液検査にてトランスアミナーゼの上昇を認め,同年1月14日当科入院となった.IgG増加はなかったが,Revised IAHG scoring systemではscore 11となりprobable AIHであり病理所見と併せて,AIHの増悪と診断した.そこでステロイド治療を開始した.その結果トランスアミナーゼは徐々に低下し,現在ステロイドを減量中であるが再燃を認めず外来経過観察中である.HLA-DR4陽性のPBC-AIH over...

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Published in肝臓 Vol. 47; no. 6; pp. 304 - 309
Main Authors 宮西, 浩嗣, 佐藤, 康史, 瀧本, 理修, 加藤, 淳二, 林, 毅, 高梨, 訓博, 河野, 豊, 小船, 雅義, 高橋, 稔, 奥田, 敏徳, 高山, 哲治, 高橋, 祥, 石渡, 裕俊, 新津, 洋司郎, 佐藤, 勉, 佐々木, 文, 高田, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2006
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.47.304

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Summary:症例は,54歳女性.平成13年3月よりPBC-AIH overlap症候群の診断のもと外来にてUDCA投与で良好にコントロールされていた.平成16年1月の定期受診時の血液検査にてトランスアミナーゼの上昇を認め,同年1月14日当科入院となった.IgG増加はなかったが,Revised IAHG scoring systemではscore 11となりprobable AIHであり病理所見と併せて,AIHの増悪と診断した.そこでステロイド治療を開始した.その結果トランスアミナーゼは徐々に低下し,現在ステロイドを減量中であるが再燃を認めず外来経過観察中である.HLA-DR4陽性のPBC-AIH overlap症候群の患者はUDCA投与中にも拘わらずAIHが増悪する可能性を考慮する必要がある.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.47.304