術後に盲腸転移をきたした早期肺癌の一例
肺癌の大腸転移はまれであり,自覚症状に伴い発見されることが多い.肺癌術後の無症状経過中にPET-CTで病変を指摘し得た症例を経験したので報告する.症例は69歳,男性.右上葉肺癌(acinar adenocarcinoma,pT1aN0M0,pStage IA)に対して右肺上葉切除+ND2a-1施行後,外来経過観察中であった.自覚症状はなく,術後2年目の胸腹部CTにて左肺門リンパ節腫大および盲腸周囲リンパ節腫大を認めた.PET-CTで回盲部に集積を認め,下部消化管内視鏡検査を施行した.生検の結果Group 5,腺癌を認め,大腸癌と診断し手術を施行した.病理組織学的検査結果にて肺癌盲腸転移と診断し...
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| Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 494 - 500 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2017
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| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI | 10.2995/jacsurg.31.494 |
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| Summary: | 肺癌の大腸転移はまれであり,自覚症状に伴い発見されることが多い.肺癌術後の無症状経過中にPET-CTで病変を指摘し得た症例を経験したので報告する.症例は69歳,男性.右上葉肺癌(acinar adenocarcinoma,pT1aN0M0,pStage IA)に対して右肺上葉切除+ND2a-1施行後,外来経過観察中であった.自覚症状はなく,術後2年目の胸腹部CTにて左肺門リンパ節腫大および盲腸周囲リンパ節腫大を認めた.PET-CTで回盲部に集積を認め,下部消化管内視鏡検査を施行した.生検の結果Group 5,腺癌を認め,大腸癌と診断し手術を施行した.病理組織学的検査結果にて肺癌盲腸転移と診断した.根治切除が行われた早期肺癌でも大腸転移を起こすことがあり,PET-CTでの全身検索の検討の余地がある. |
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI: | 10.2995/jacsurg.31.494 |