傍大動脈領域にみられた交感神経由来の後腹膜神経鞘腫の1例

症例は36歳,男性.腰痛を主訴に当科を紹介受診した.白血球,CRP上昇と炎症反応を認め,左側腰部後腹膜にCT,MRI検査で嚢胞性成分を伴う腫瘤として描出された.これらの結果,後腹膜の炎症性腫瘤と診断し,後腹膜アプローチでの鏡視下腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は45×50×50mmで,病理組織学的に神経鞘腫と診断した.また,断端には既存の神経節細胞を認め,腫瘍は交感神経幹と連続していた. われわれはきわめて稀な腹部交感神経由来の後腹膜神経鞘腫の1例を経験した.後腹膜アプローチでの鏡視下手術は腸管損傷の危険性も少なく安全に行えるので,後腹膜神経鞘腫に対し有用と考えられる....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 8; pp. 2525 - 2530
Main Authors 落合, 実, 東口, 崇, 辻, 毅, 小林, 康人, 山本, 基, 重河, 嘉靖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.2525

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Summary:症例は36歳,男性.腰痛を主訴に当科を紹介受診した.白血球,CRP上昇と炎症反応を認め,左側腰部後腹膜にCT,MRI検査で嚢胞性成分を伴う腫瘤として描出された.これらの結果,後腹膜の炎症性腫瘤と診断し,後腹膜アプローチでの鏡視下腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は45×50×50mmで,病理組織学的に神経鞘腫と診断した.また,断端には既存の神経節細胞を認め,腫瘍は交感神経幹と連続していた. われわれはきわめて稀な腹部交感神経由来の後腹膜神経鞘腫の1例を経験した.後腹膜アプローチでの鏡視下手術は腸管損傷の危険性も少なく安全に行えるので,後腹膜神経鞘腫に対し有用と考えられる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.2525