経皮的ラジオ波焼灼術後の胸腔内胆汁瘻の1例

58歳女性.S状結腸癌肝転移に対しS状結腸切除,肝部分切除(19ヵ所)を施行した.1年後,肝転移に対しラジオ波焼灼術(Radiofrequency ablation:RFA)を施行.RFA後28日目に38℃台の発熱と右胸水を認め入院した.胸水中の総ビリルビン23.5 mg/dlと高値であったため胸腔内胆汁瘻と判断し,胸腔ドレナージと内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(Endoscopicnasobiliary drainage:ENBD)を行った.炎症所見は改善したためドレナージ開始6日後に胸腔ドレーンを抜去したところ発熱が再燃した.その後胆汁コントロールが得られるまで30日間の胸腔ドレナージを要した...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 466 - 470
Main Authors 谷口, 敬, 王, 志明, 福井, 麻里子, 鈴木, 健司, 高持, 一矢, 尾泉, 広明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2019
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.33.466

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Summary:58歳女性.S状結腸癌肝転移に対しS状結腸切除,肝部分切除(19ヵ所)を施行した.1年後,肝転移に対しラジオ波焼灼術(Radiofrequency ablation:RFA)を施行.RFA後28日目に38℃台の発熱と右胸水を認め入院した.胸水中の総ビリルビン23.5 mg/dlと高値であったため胸腔内胆汁瘻と判断し,胸腔ドレナージと内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(Endoscopicnasobiliary drainage:ENBD)を行った.炎症所見は改善したためドレナージ開始6日後に胸腔ドレーンを抜去したところ発熱が再燃した.その後胆汁コントロールが得られるまで30日間の胸腔ドレナージを要した.胸腔内胆汁瘻はRFA後の合併症として極めて稀であるが,適切な治療介入がないと重篤化し得る.胆道ドレナージによる胆汁性排液のコントロールとそれまでの胸腔ドレナージ継続が必要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.466