長期間留置後に胸腔鏡下に摘出した胸腔内伏針の一例

症例は77歳男性.主訴は胸部異常陰影.70年前に布団の上で転倒し,針が胸壁に刺入した.体表からの摘出術を施行したが発見できず摘出不能であった.その後は無症状のため経過観察されていたが,今回MRI検査を施行するため,摘出を希望された.胸部CTで右第9肋骨後面に沿うように数片の高輝度の針状異物陰影を認めたが,胸腔内か胸腔外かは判別困難であった.実際には壁側胸膜内に存在し,胸腔鏡下異物除去手術を行った.これほどまで長く留置された伏針の摘出報告はなく,長期留置により針が脆弱化しており,術中透視を用いることで胸腔鏡下に完全摘出しえた一例を経験したので報告する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 285 - 291
Main Authors 杉浦, 裕典, 大瀬, 尚子, 福山, 馨, 新谷, 康, 石田, 裕人, 川岸, 耕太朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2020
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.34.285

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Summary:症例は77歳男性.主訴は胸部異常陰影.70年前に布団の上で転倒し,針が胸壁に刺入した.体表からの摘出術を施行したが発見できず摘出不能であった.その後は無症状のため経過観察されていたが,今回MRI検査を施行するため,摘出を希望された.胸部CTで右第9肋骨後面に沿うように数片の高輝度の針状異物陰影を認めたが,胸腔内か胸腔外かは判別困難であった.実際には壁側胸膜内に存在し,胸腔鏡下異物除去手術を行った.これほどまで長く留置された伏針の摘出報告はなく,長期留置により針が脆弱化しており,術中透視を用いることで胸腔鏡下に完全摘出しえた一例を経験したので報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.34.285