複雑型肺動静脈瘻の一切除例

症例は70歳,女性.近医で胸部異常陰影と低酸素血症を指摘され当院呼吸器内科紹介となった.胸部造影CTでは左舌区に複雑型肺動静脈瘻を認め,縦隔型舌区肺動脈より1本,葉間から分岐するA4,A5,A8よりそれぞれ1本ずつ流入動脈を認めた.放射線科よりコイル塞栓術は困難と判断され,手術目的に当科紹介となった.手術は左上葉切除を施行した.術前検査でシャント率31.4%,動脈血酸素分50.2 mmHgであったが,術後には9.5%,動脈血酸素分圧も89.7 mmHgと著明に改善した.複雑型肺動静脈瘻に対して手術が有効であった一例を経験したので,文献的考察を加え報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 487 - 491
Main Authors 森田, 一郎, 物部, 泰昌, 吉田, 将和, 深澤, 拓也, 湯川, 拓郎, 猶本, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.487

Cover

More Information
Summary:症例は70歳,女性.近医で胸部異常陰影と低酸素血症を指摘され当院呼吸器内科紹介となった.胸部造影CTでは左舌区に複雑型肺動静脈瘻を認め,縦隔型舌区肺動脈より1本,葉間から分岐するA4,A5,A8よりそれぞれ1本ずつ流入動脈を認めた.放射線科よりコイル塞栓術は困難と判断され,手術目的に当科紹介となった.手術は左上葉切除を施行した.術前検査でシャント率31.4%,動脈血酸素分50.2 mmHgであったが,術後には9.5%,動脈血酸素分圧も89.7 mmHgと著明に改善した.複雑型肺動静脈瘻に対して手術が有効であった一例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.487