Back wash ileitisを合併した潰瘍性大腸炎の3手術例
潰瘍性大腸炎では,回盲弁をこえて炎症が進展し,back wash ileitis(BI)を引き起こすことがある.今回,BIを合併している3症例を経験したので報告する.症例1:21歳,女性.発症1カ月の全大腸炎,急性激症型.ステロイド強力静注の効果なく,穿孔性腹膜炎を呈した.回腸末端穿孔のため,約30cmの回腸切除となったが,肛門温存手術が可能であった.症例2:48歳,男性.発症2カ月,全大腸炎,急性激症型.ステロイド,LCAP無効で,中毒性巨大結腸症,多発穿孔を合併.回腸末端に穿孔はなかったが,浮腫,潰瘍形成を認め,回腸末端約40cm切除した.肛門温存手術は不可能であった.症例3:57歳,女性...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 6; pp. 1418 - 1422 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2008
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.69.1418 |
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| Summary: | 潰瘍性大腸炎では,回盲弁をこえて炎症が進展し,back wash ileitis(BI)を引き起こすことがある.今回,BIを合併している3症例を経験したので報告する.症例1:21歳,女性.発症1カ月の全大腸炎,急性激症型.ステロイド強力静注の効果なく,穿孔性腹膜炎を呈した.回腸末端穿孔のため,約30cmの回腸切除となったが,肛門温存手術が可能であった.症例2:48歳,男性.発症2カ月,全大腸炎,急性激症型.ステロイド,LCAP無効で,中毒性巨大結腸症,多発穿孔を合併.回腸末端に穿孔はなかったが,浮腫,潰瘍形成を認め,回腸末端約40cm切除した.肛門温存手術は不可能であった.症例3:57歳,女性.発症12カ月.全大腸炎,再燃緩解型.再燃し中毒性巨大結腸症を合併.回腸末端約15cmに浮腫,潰瘍形成を認めたが温存し,肛門温存手術可能であった.いずれもサイトメガロウイルス陰性で,BIによる炎症と思われた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.69.1418 |