小腸膀胱瘻をきたした多発性小腸憩室の1例

症例は65歳, 女性. 腹部膨満感, 腹痛を主訴にイレウスとの診断で近医より紹介となった. しかし, 糞尿, 気尿といった症状もあったこと, 腹部CTでの膀胱内free airの存在, 膀胱鏡所見より腸管膀胱瘻の診断で手術となった. 開腹所見では, 膀胱と回腸が強固に癒着しており一塊となっていた. 膀胱壁を一部含めた小腸切除術を施行した. 病理組織学的所見では回腸の多巣性憩室形成が認められた. また憩室が高度な炎症を伴い膀胱に強く癒着し, 小腸膀胱瘻が形成されていた. 本疾患は非常に稀な疾患であり, これまでに本邦で3例, 本邦以外の報告で4例のみである. 若干の文献的考察を加え報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 1156 - 1159
Main Authors 亀岡, 稔, 多幾山, 渉, 坂部, 龍太郎, 中島, 亨, 小林, 美恵, 平林, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.1156

Cover

More Information
Summary:症例は65歳, 女性. 腹部膨満感, 腹痛を主訴にイレウスとの診断で近医より紹介となった. しかし, 糞尿, 気尿といった症状もあったこと, 腹部CTでの膀胱内free airの存在, 膀胱鏡所見より腸管膀胱瘻の診断で手術となった. 開腹所見では, 膀胱と回腸が強固に癒着しており一塊となっていた. 膀胱壁を一部含めた小腸切除術を施行した. 病理組織学的所見では回腸の多巣性憩室形成が認められた. また憩室が高度な炎症を伴い膀胱に強く癒着し, 小腸膀胱瘻が形成されていた. 本疾患は非常に稀な疾患であり, これまでに本邦で3例, 本邦以外の報告で4例のみである. 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.1156