甲状腺クリーゼと診断した4例の検討

甲状腺クリーゼと診断した4例を経験した。1例は来院前に心肺停止となり,蘇生後低酸素脳症により不幸な転帰となったが,他3例は迅速な診断と治療により良好な経過をたどった。4例すべてに心不全徴候を認めたが,甲状腺治療薬が心不全や全身状態を悪化させる可能性があるため,治療に際しては十分な循環動態の監視が必要と考えられた。また,外傷後の異常な頻脈と発熱持続を認める場合,甲状腺機能評価を視野に入れた治療が必要と考えられた。...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 17; no. 2; pp. 191 - 195
Main Authors 早川, 峰司, 丸藤, 哲, 平安山, 直美, 久保田, 信彦, 澤村, 淳, 和田, 剛志, 星野, 弘勝, 菅野, 正寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 2010
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.17.191

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Summary:甲状腺クリーゼと診断した4例を経験した。1例は来院前に心肺停止となり,蘇生後低酸素脳症により不幸な転帰となったが,他3例は迅速な診断と治療により良好な経過をたどった。4例すべてに心不全徴候を認めたが,甲状腺治療薬が心不全や全身状態を悪化させる可能性があるため,治療に際しては十分な循環動態の監視が必要と考えられた。また,外傷後の異常な頻脈と発熱持続を認める場合,甲状腺機能評価を視野に入れた治療が必要と考えられた。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.17.191