血痰,血尿で発症した後天性第V因子インヒビターの1例

症例は63歳,女性.乳癌,肺癌の既往あり.感冒症状に続き,血痰,血尿が出現しPT,APTTの延長を指摘された.第V因子インヒビターを認め,プレドニゾロン(PSL)1mg/kgで開始したところ,血痰,血尿は速やかに消失し,投与開始11日目にはPT,APTTともに正常化した.PSL漸減,中止後も再燃の兆しはみられない.本症例は,後天性第V因子インヒビター発症1年後現在も乳癌,肺癌の再発はなく,これらの関与は否定的と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 100; no. 1; pp. 182 - 184
Main Authors 小林, 匡洋, 張替, 秀郎, 大口, 裕人, 横山, 寿行, 大場, 理恵, 石川, 正明, 沖津, 庸子, 山本, 譲司, 鈴木, 宗三, 石澤, 賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.100.182

Cover

More Information
Summary:症例は63歳,女性.乳癌,肺癌の既往あり.感冒症状に続き,血痰,血尿が出現しPT,APTTの延長を指摘された.第V因子インヒビターを認め,プレドニゾロン(PSL)1mg/kgで開始したところ,血痰,血尿は速やかに消失し,投与開始11日目にはPT,APTTともに正常化した.PSL漸減,中止後も再燃の兆しはみられない.本症例は,後天性第V因子インヒビター発症1年後現在も乳癌,肺癌の再発はなく,これらの関与は否定的と考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.100.182