右B2転位気管支を伴う右上葉肺癌の一切除例

症例は72歳,女性.検診時胸部レントゲンで胸部異常陰影を指摘され当院を受診された.胸部造影CTで右上葉S1に2.7×2.0 cm,左上葉S3に1.2×1.1 cmの周囲にGGA(Ground Glass Attenuation)を伴う結節影,S1+2に1.0×0.8 cmのpure GGAを認め多発癌を疑った.右B2気管支が中葉気管支の基部から分岐する分岐異常を認めた.さらに3D-CTで右A4+5からA2bが分岐し,右A6と共通幹でA1aとA2aが分岐する肺動脈の走行異常の合併を認めた.右肺の主病変がS1に存在し,術前に明らかなリンパ節転移がなく,今後左肺腫瘍の手術の予定があることから残肺機能...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 248 - 253
Main Authors 佐竹, 章, 齋藤, 雄史, 春日井, 敏夫, 立松, 勉, 山川, 洋右
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.248

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Summary:症例は72歳,女性.検診時胸部レントゲンで胸部異常陰影を指摘され当院を受診された.胸部造影CTで右上葉S1に2.7×2.0 cm,左上葉S3に1.2×1.1 cmの周囲にGGA(Ground Glass Attenuation)を伴う結節影,S1+2に1.0×0.8 cmのpure GGAを認め多発癌を疑った.右B2気管支が中葉気管支の基部から分岐する分岐異常を認めた.さらに3D-CTで右A4+5からA2bが分岐し,右A6と共通幹でA1aとA2aが分岐する肺動脈の走行異常の合併を認めた.右肺の主病変がS1に存在し,術前に明らかなリンパ節転移がなく,今後左肺腫瘍の手術の予定があることから残肺機能を考慮して完全胸腔鏡下右S1+3区域切除術を施行した.B2気管支が中葉気管支から分岐する転位は稀であり報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.248