高頻度ジェット換気を用いた気管切除

高頻度ジェット換気(high frequency jet ventilation:HFJV)を使用することにより,術野挿管をせず気管切除術を施行し得た症例を経験した.症例は68歳,女性.頚部気管に隆起性病変(腺様囊胞癌)を認め,根治目的に気管切除術を予定した.麻酔は,標準型気管チューブを用いた気管挿管による呼吸管理で開始した.頸部襟状切開でアプローチし,病変周囲の気管剥離を終了した段階で,COOK気管内チューブ交換用カテーテルⓇに入れ替えて,これを介したHFJVによる呼吸管理へと移行した.第2~第4気管軟骨輪を切除後,気管端々吻合を行い手術は終了した.術中,細径カテーテルを用いたHFJVによる...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 260 - 264
Main Authors 安川, 元章, 東条, 尚, 河合, 紀和, 川口, 剛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.260

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Summary:高頻度ジェット換気(high frequency jet ventilation:HFJV)を使用することにより,術野挿管をせず気管切除術を施行し得た症例を経験した.症例は68歳,女性.頚部気管に隆起性病変(腺様囊胞癌)を認め,根治目的に気管切除術を予定した.麻酔は,標準型気管チューブを用いた気管挿管による呼吸管理で開始した.頸部襟状切開でアプローチし,病変周囲の気管剥離を終了した段階で,COOK気管内チューブ交換用カテーテルⓇに入れ替えて,これを介したHFJVによる呼吸管理へと移行した.第2~第4気管軟骨輪を切除後,気管端々吻合を行い手術は終了した.術中,細径カテーテルを用いたHFJVによる呼吸管理により術野挿管は要さなかった.同法による呼吸管理を用いた気道手術では術野の視界は良好に保たれ,手術操作が行いやすいメリットがあると考えた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.260