気管原発glomus腫瘍の1例

69歳男性.65歳時に前医消化器外科にて横行結腸癌に対して横行結腸切除術を施行.術後3年のCTで気管下部膜様部に造影効果の強い結節影を認め,前医呼吸器外科へ紹介.気管支鏡を施行されたが出血のリスクを考慮し生検せず経過観察の方針となった.1年後の術後4年のCTで増大傾向を認め,精査加療目的に当科へ紹介.全身麻酔下に気管支鏡下に生検を行った.腫瘍は易出血性で,生検結果はglomus腫瘍であった.本症例に対し気管管状切除術を施行,術中迅速診断で断端陰性を確認した.術後経過は良好で患者は術後1年半無再発生存中である.気管・気管支発生のglomus腫瘍は稀である.易出血性のため生検時は注意が必要である....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 540 - 543
Main Authors 神山, 幸一, 佐伯, 祐典, 北沢, 伸祐, 小林, 尚寛, 佐藤, 幸夫, 荒木, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.540

Cover

More Information
Summary:69歳男性.65歳時に前医消化器外科にて横行結腸癌に対して横行結腸切除術を施行.術後3年のCTで気管下部膜様部に造影効果の強い結節影を認め,前医呼吸器外科へ紹介.気管支鏡を施行されたが出血のリスクを考慮し生検せず経過観察の方針となった.1年後の術後4年のCTで増大傾向を認め,精査加療目的に当科へ紹介.全身麻酔下に気管支鏡下に生検を行った.腫瘍は易出血性で,生検結果はglomus腫瘍であった.本症例に対し気管管状切除術を施行,術中迅速診断で断端陰性を確認した.術後経過は良好で患者は術後1年半無再発生存中である.気管・気管支発生のglomus腫瘍は稀である.易出血性のため生検時は注意が必要である.良悪性の鑑別,壁外進展の有無を検討した上で,治療方針を決定すべきである.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.540