左冠動脈主幹部入口部パッチ形成術を行った大動脈基部置換術の1例
症例は63歳,女性.大動脈弁輪拡張症による大動脈弁逆流のため心不全症状が出現し,大動脈基部置換術を行う方針となった.術前冠動脈造影検査では左冠動脈入口部に50%の狭窄を認めていた.術中に左冠動脈より選択的に心筋保護液の灌流を試みたところ12Gのカニューレが挿入できなかったため,同入口部のパッチ形成を行うこととした.左冠動脈Carrelパッチから左冠動脈主幹部にかけて切開し,大伏在静脈パッチにて形成した.その後,大動脈基部置換術を行った.術後経過は良好で,術後造影CTでは明らかな問題を認めず,術後29病日に独歩退院した....
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 40; no. 4; pp. 177 - 180 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.40.177 |
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Summary: | 症例は63歳,女性.大動脈弁輪拡張症による大動脈弁逆流のため心不全症状が出現し,大動脈基部置換術を行う方針となった.術前冠動脈造影検査では左冠動脈入口部に50%の狭窄を認めていた.術中に左冠動脈より選択的に心筋保護液の灌流を試みたところ12Gのカニューレが挿入できなかったため,同入口部のパッチ形成を行うこととした.左冠動脈Carrelパッチから左冠動脈主幹部にかけて切開し,大伏在静脈パッチにて形成した.その後,大動脈基部置換術を行った.術後経過は良好で,術後造影CTでは明らかな問題を認めず,術後29病日に独歩退院した. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.40.177 |