当院における脊椎後弯症術後2年成績 矢状面バランスの経時的変化と臨床症状との関係について

当院にて矯正手術を行い術後2年以上経過した脊椎後弯症患者の臨床症状および矢状面バランスの経時的変化を検討した.症例は9例で,術式は多椎間TLIF 3例,PSO/TLIF 5例,VCRとponte Osteotomy 1例であった.臨床症状経過は9症例中5例が良好であった.しかし臨床経過が良好であっても,継時的に後弯が進行する症例が5例中3例存在した.結果として術直後に十分な矯正が得られても2年経過では後弯が進行する症例がみられた.後弯の戻りの原因は,固定下位端での骨折や椎間板障害,腰仙椎を含めないshort fusion,胸椎後弯の進行であったが,後弯の進行と臨床症状は必ずしも一致しなかった....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 1; pp. 5 - 8
Main Authors 大田, 秀樹, 中山, 美数, 井口, 洋平, 松本, 佳之, 竹光, 義治, 酒井, 翼, 清田, 光一, 木田, 浩隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.5

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Summary:当院にて矯正手術を行い術後2年以上経過した脊椎後弯症患者の臨床症状および矢状面バランスの経時的変化を検討した.症例は9例で,術式は多椎間TLIF 3例,PSO/TLIF 5例,VCRとponte Osteotomy 1例であった.臨床症状経過は9症例中5例が良好であった.しかし臨床経過が良好であっても,継時的に後弯が進行する症例が5例中3例存在した.結果として術直後に十分な矯正が得られても2年経過では後弯が進行する症例がみられた.後弯の戻りの原因は,固定下位端での骨折や椎間板障害,腰仙椎を含めないshort fusion,胸椎後弯の進行であったが,後弯の進行と臨床症状は必ずしも一致しなかった.しかし,より良好な長期成績を獲得するための対策として,現在では胸椎の代償性前弯からの戻りも含めた過矯正,腸骨までの固定を行っている.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.5