サルコイド様反応を認めた原発性肺癌症例の検討

サルコイド様反応とはある種の疾患に対し,その主な罹患臓器の局所リンパ節に,サルコイドーシスと同様の非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫形成をきたす組織学的所見のことをいう.今回当科で手術を施行したサルコイド様反応合併肺癌症例7例について臨床的検討を行った.男性2例,女性5例,手術時の年齢中央値は69歳(63~80歳)であった.組織型では腺癌5例,扁平上皮癌2例,施行術式は肺葉切除2例,区域切除4例,部分切除1例,病理病期は0期1例,IA期6例であった.サルコイド様反応を認めた部位としてリンパ節と腫瘍近傍の肺実質の両方に認められた症例が7例中5例あった.FDG-PET/CTの所見としてはFDG集積が両側肺...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 6; pp. 664 - 668
Main Authors 奥村, 典仁, 木村, 賢司, 高橋, 鮎子, 亀山, 耕太郎, 中島, 尊, 松岡, 智章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.664

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Summary:サルコイド様反応とはある種の疾患に対し,その主な罹患臓器の局所リンパ節に,サルコイドーシスと同様の非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫形成をきたす組織学的所見のことをいう.今回当科で手術を施行したサルコイド様反応合併肺癌症例7例について臨床的検討を行った.男性2例,女性5例,手術時の年齢中央値は69歳(63~80歳)であった.組織型では腺癌5例,扁平上皮癌2例,施行術式は肺葉切除2例,区域切除4例,部分切除1例,病理病期は0期1例,IA期6例であった.サルコイド様反応を認めた部位としてリンパ節と腫瘍近傍の肺実質の両方に認められた症例が7例中5例あった.FDG-PET/CTの所見としてはFDG集積が両側肺門に6例中4例に認められた.サルコイド様反応症例ではリンパ節へのFDG集積により肺癌の病期評価が過大評価される可能性があり,必要に応じてリンパ節生検を行い正しく病期を評価する必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.664