骨盤内Castleman病の1例

症例は28歳,女性.数カ月前より持続する下腹部の違和感を主訴に当院産婦人科を受診した.経膣超音波検査にて右卵巣外側に41mm大の辺縁平滑な腫瘤を指摘された.骨盤内腫瘍との術前診断のもとに腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は骨盤内膀胱右腹側に存在し境界明瞭であった.周囲臓器への浸潤は認めず,栄養血管を処理し腫瘍を摘出した.病理組織学的にCastleman病,hyaline vascular typeと診断した. Castleman病はリンパ節の巨大な腫瘤性病変を特徴とする原因不明の疾患である.病変は胸腔内,特に縦隔に発生することが多く骨盤内に発生することは非常に稀である.本疾患には特異的な検査所見はなく...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 9; pp. 2423 - 2428
Main Authors 服部, 憲史, 末永, 裕之, 越川, 克己, 鎌田, 嗣正, 横山, 裕之, 谷口, 健次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.2423

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Summary:症例は28歳,女性.数カ月前より持続する下腹部の違和感を主訴に当院産婦人科を受診した.経膣超音波検査にて右卵巣外側に41mm大の辺縁平滑な腫瘤を指摘された.骨盤内腫瘍との術前診断のもとに腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は骨盤内膀胱右腹側に存在し境界明瞭であった.周囲臓器への浸潤は認めず,栄養血管を処理し腫瘍を摘出した.病理組織学的にCastleman病,hyaline vascular typeと診断した. Castleman病はリンパ節の巨大な腫瘤性病変を特徴とする原因不明の疾患である.病変は胸腔内,特に縦隔に発生することが多く骨盤内に発生することは非常に稀である.本疾患には特異的な検査所見はなく術前診断は困難であるが,完全切除されれば予後は良好とされている.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.2423