腸重積で発症した回盲部inflammatory myofibroblastic tumorの1例
28歳, 男性. 平成15年7月下旬頃より時々の腹痛を自覚していたが放置していた. 8月19日強い腹痛を訴え救急受診. 腹部超音波検査・CT検査で臍部やや右側腹部寄りに層状構造を呈する腫瘤を認め, 上行結腸の腸重積症と診断し緊急手術を施行した. 開腹時, 腸重積は自然解除されていたが, 触診上回盲部にピンポン球大の弾性硬の腫瘤を認め回盲部切除術を施行した. 病理組織検査にてinflammatory myofibroblastic tumor (IMT) と診断された. 術後経過良好で第10病日に退院となった. IMTは従来inflammatory pseudotumorと呼ばれていたものの一部...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 7; pp. 1736 - 1739 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.68.1736 |
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Summary: | 28歳, 男性. 平成15年7月下旬頃より時々の腹痛を自覚していたが放置していた. 8月19日強い腹痛を訴え救急受診. 腹部超音波検査・CT検査で臍部やや右側腹部寄りに層状構造を呈する腫瘤を認め, 上行結腸の腸重積症と診断し緊急手術を施行した. 開腹時, 腸重積は自然解除されていたが, 触診上回盲部にピンポン球大の弾性硬の腫瘤を認め回盲部切除術を施行した. 病理組織検査にてinflammatory myofibroblastic tumor (IMT) と診断された. 術後経過良好で第10病日に退院となった. IMTは従来inflammatory pseudotumorと呼ばれていたものの一部で, 現在腫瘍性病変と考えられている. Low grade malignancyのため遠隔転移は比較的稀であるものの局所再発を伴うことがあるとされ, 充分な経過観察が必要であると思われた. 今回, 腸重積にて発症した比較的稀なIMTの1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.1736 |