胸壁腫瘤切除により確定診断された胸囲結核の1例

症例は82歳,女性.主訴は胸壁腫瘤.既往歴に結核の既往はない.現病歴は3カ月前から胸部腫瘤を自覚し,増大傾向あるため,近医より公立那賀病院紹介となる.右前胸部第11肋骨前腋窩線上に5cm大の弾性軟で発赤を伴う圧痛性の腫瘤を認めたが,入院時検査所見にて炎症反応,腫瘍マーカーの上昇を認めず,喀痰はガフキー0号であった.術前に行った針生検では壊死性肉芽腫の像を呈していた.胸壁腫瘤および肋骨合併切除を行った.摘出標本の病理検査結果からはTuberculoid granulomaを形成していた.培養検査もMycobacterium tuberclosis(1+)と結核菌陽性であるため,胸囲結核の確定診断...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 1112 - 1115
Main Authors 森, 一成, 有井, 一雄, 平井, 一成, 坂田, 好史, 竹井, 陽, 木下, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1112

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Summary:症例は82歳,女性.主訴は胸壁腫瘤.既往歴に結核の既往はない.現病歴は3カ月前から胸部腫瘤を自覚し,増大傾向あるため,近医より公立那賀病院紹介となる.右前胸部第11肋骨前腋窩線上に5cm大の弾性軟で発赤を伴う圧痛性の腫瘤を認めたが,入院時検査所見にて炎症反応,腫瘍マーカーの上昇を認めず,喀痰はガフキー0号であった.術前に行った針生検では壊死性肉芽腫の像を呈していた.胸壁腫瘤および肋骨合併切除を行った.摘出標本の病理検査結果からはTuberculoid granulomaを形成していた.培養検査もMycobacterium tuberclosis(1+)と結核菌陽性であるため,胸囲結核の確定診断に至った.術後抗結核化学療法を施行した.術後フォローアップとして,9カ月目,20カ月目にCT検査を施行し,再発なきことを確認している.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1112