眼瞼原発アポクリン癌の1例

アポクリン癌はアポクリン腺より発生する稀な腫瘍である。その多くは腋窩に発生するとされ,眼瞼より発生するアポクリン癌は非常に稀である。今回われわれは,右下眼瞼より発生したアポクリン癌の症例を経験した。症例は70代男性,鼻涙管進展の可能性がある右下眼瞼原発のアポクリン癌に対し,右眼窩内容全摘出術+上顎部分切除術を施行した。 アポクリン癌の治療については原発巣の切除が基本とされることが多く,放射線治療や化学療法の有用性について統一的な見解は確立されていない。予後は比較的良好な癌とされているが,中には悪性度の高い症例が存在する可能性が示唆され,慎重な経過観察が必要と考えた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 3; pp. 365 - 373
Main Authors 竹本, 洋介, 廣瀬, 敬信, 竹本, 剛, 山下, 裕司, 坂本, めい, 折田, 浩志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.365

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Summary:アポクリン癌はアポクリン腺より発生する稀な腫瘍である。その多くは腋窩に発生するとされ,眼瞼より発生するアポクリン癌は非常に稀である。今回われわれは,右下眼瞼より発生したアポクリン癌の症例を経験した。症例は70代男性,鼻涙管進展の可能性がある右下眼瞼原発のアポクリン癌に対し,右眼窩内容全摘出術+上顎部分切除術を施行した。 アポクリン癌の治療については原発巣の切除が基本とされることが多く,放射線治療や化学療法の有用性について統一的な見解は確立されていない。予後は比較的良好な癌とされているが,中には悪性度の高い症例が存在する可能性が示唆され,慎重な経過観察が必要と考えた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.365