小ガーゼを使わない手術の検討

ガーゼ遺残を防ぐためにはガーゼを使わないことが一つの解決策であり, 小ガーゼを使わず大ガーゼと吸引のみで行う手術 (小ガーゼ不使用群 : n=50) と小ガーゼ, 大ガーゼ, 吸引の全てを使う手術 (従来法群 : n=50) をprospectiveに比較検討した. 原疾患によらず出血量, 手術時間は両群間に差を認めなかった. ガーゼカウント回数は従来法群3.8回, 小ガーゼ不使用群2.4回と小ガーゼ不使用群で有意に少なかった. 数え間違いも含めたガーゼカウントの不一致は従来法群で12例 (24%) にみられたのに対し, 小ガーゼ不使用群では1例も認めなかった. 従来法群のガーゼカウントの不一...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 7; pp. 1637 - 1641
Main Authors 滝口, 伸浩, 山本, 宏, 趙, 明浩, 早田, 浩明, 貝沼, 修, 永田, 松夫, 浅野, 武秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.1637

Cover

More Information
Summary:ガーゼ遺残を防ぐためにはガーゼを使わないことが一つの解決策であり, 小ガーゼを使わず大ガーゼと吸引のみで行う手術 (小ガーゼ不使用群 : n=50) と小ガーゼ, 大ガーゼ, 吸引の全てを使う手術 (従来法群 : n=50) をprospectiveに比較検討した. 原疾患によらず出血量, 手術時間は両群間に差を認めなかった. ガーゼカウント回数は従来法群3.8回, 小ガーゼ不使用群2.4回と小ガーゼ不使用群で有意に少なかった. 数え間違いも含めたガーゼカウントの不一致は従来法群で12例 (24%) にみられたのに対し, 小ガーゼ不使用群では1例も認めなかった. 従来法群のガーゼカウントの不一致は, 出血量およびガーゼ使用枚数が多い症例に多かった. 看護師のアンケートでは小ガーゼを使わない手術はガーゼカウントが簡便, 出血量の把握が容易, 血液への暴露が少ない, ガーゼ遺残のリスクが減少と好評であった. 小ガーゼを使わなくても従来と変わらない手術が可能であり, 医療安全および業務の簡素化の面からも本法は推奨される.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.1637