難治性の環軸椎回旋位固定に対して全身麻酔下徒手整復法により治療を行った2例

【はじめに】難治性の環軸椎回旋位固定(Atlantoaxial rotatory fixation:以下AARF)に対して全身麻酔下徒手整復と体幹装具により治療を行った2例を経験したので報告する.【症例1】10歳女児,もやもや病の手術後より頚部痛と頭部を右にかしげる症状が出現し,発症71日後に当科を紹介受診した.全身麻酔下に徒手整復を行い,2か月間の体幹装具固定を行った.術後3年で再発は認めていない.【症例2】9歳女児.50cmの高さから転落して受傷し,右鎖骨骨幹部骨折と診断された.受傷翌日から頚部痛が出現し頚椎カラーを装着したが,症状が改善せず,環軸椎回旋位固定と診断され発症31日後に当科紹...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 28 - 31
Main Authors 神﨑, 衣里, 郷野, 開史, 馬場, 秀夫, 今井, 智恵子, 貞松, 毅大, 樋口, 尚浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.28

Cover

More Information
Summary:【はじめに】難治性の環軸椎回旋位固定(Atlantoaxial rotatory fixation:以下AARF)に対して全身麻酔下徒手整復と体幹装具により治療を行った2例を経験したので報告する.【症例1】10歳女児,もやもや病の手術後より頚部痛と頭部を右にかしげる症状が出現し,発症71日後に当科を紹介受診した.全身麻酔下に徒手整復を行い,2か月間の体幹装具固定を行った.術後3年で再発は認めていない.【症例2】9歳女児.50cmの高さから転落して受傷し,右鎖骨骨幹部骨折と診断された.受傷翌日から頚部痛が出現し頚椎カラーを装着したが,症状が改善せず,環軸椎回旋位固定と診断され発症31日後に当科紹介となった.全身麻酔下に徒手整復を行い,体幹装具を1か月間装着し,オルソカラー固定で自宅退院した.術後73日で反対方向に転位し,再度全身麻酔下に徒手整復を行った.可動域訓練を積極的に行い,症状,可動域制限とも改善した.術後1年で再発は認めず経過良好である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.28