C群およびG群溶血性レンサ球菌による侵襲性感染症についてのアンケート調査
本来は無菌的である検査材料からのLancefieldの群別によるC群, G群β溶血性レンサ球菌の分離状況と, それらの症例の背景について, 全国的なアンケート調査を実施した. アンケートの対象期間は平成17年1月から8月までの8カ月間で, 193医療機関に属する細菌検査室から回答を受けた. そのうちの102施設 (52.8%) において, これらのレンサ球菌の分離を経験していた. 内訳は, C群レンサ球菌が25例, G群レンサ球菌が216例とほぼ1: 10の割合であった. これらの分離菌は血液由来が半数を占め, 次いで閉鎖性膿汁や関節液由来が多かった. 菌が検出された年齢のピークは70歳代であ...
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| Published in | 感染症学雑誌 Vol. 80; no. 5; pp. 480 - 487 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.09.2006
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-5911 1884-569X |
| DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.480 |
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| Summary: | 本来は無菌的である検査材料からのLancefieldの群別によるC群, G群β溶血性レンサ球菌の分離状況と, それらの症例の背景について, 全国的なアンケート調査を実施した. アンケートの対象期間は平成17年1月から8月までの8カ月間で, 193医療機関に属する細菌検査室から回答を受けた. そのうちの102施設 (52.8%) において, これらのレンサ球菌の分離を経験していた. 内訳は, C群レンサ球菌が25例, G群レンサ球菌が216例とほぼ1: 10の割合であった. これらの分離菌は血液由来が半数を占め, 次いで閉鎖性膿汁や関節液由来が多かった. 菌が検出された年齢のピークは70歳代であったが, 40歳代から次第に症例は増加していた. 疾患名が記載されていたのは計184例であった. 最も多かったのは閉鎖性化膿性疾患であり, 次いで菌血症・敗血症, 化膿性関節炎, 蜂窩織炎の順であった. その他に, 症例数は多くはないが, 劇症型レンサ球菌感染症や膿胸, 化膿性髄膜炎の症例も認められた. 発症例の多くは基礎疾患を有していた. 糖尿病が最も多く, 次いで腫瘍, 脳疾患の順であった. 上記のことから, C群あるいはG群レンサ球菌が分離された際には, 菌の正確な同定を行うと同時に, 患者の背景因子を十分に解析する必要のあることが強く示唆された. |
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| ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
| DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.480 |