ホルネル症候群が改善した交感神経鞘腫手術例

頸部に発生する交感神経神経鞘腫はホルネル症候群を認めた場合,手術を施行しても症状が改善しないことが多いと報告されている。今回われわれは頸部交感神経鞘腫に対し,ホルネル症候群発症後早期に被膜間摘出術を行ったところ術後2か月で改善した症例を経験したので報告する。症例は46歳男性。左頸部腫瘤を主訴に来院した。初診時神経脱落症状は見られず,MRI検査で交感神経由来の神経鞘腫が疑われた。手術約3週間前から左眼瞼下垂や縮瞳などホルネル症候群が出現し,その後被膜間摘出術で腫瘍を摘出した。術後2か月経過した時点で神経脱落症状は改善した。神経症状発症から早期であれば手術により症状が改善する可能性が示唆された。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 1; pp. 85 - 90
Main Authors 丸山, 祐樹, 嶋根, 俊和, 江川, 峻哉, 北嶋, 達也, 溝上, 雄大, 櫛橋, 幸民
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2023
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.85

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Summary:頸部に発生する交感神経神経鞘腫はホルネル症候群を認めた場合,手術を施行しても症状が改善しないことが多いと報告されている。今回われわれは頸部交感神経鞘腫に対し,ホルネル症候群発症後早期に被膜間摘出術を行ったところ術後2か月で改善した症例を経験したので報告する。症例は46歳男性。左頸部腫瘤を主訴に来院した。初診時神経脱落症状は見られず,MRI検査で交感神経由来の神経鞘腫が疑われた。手術約3週間前から左眼瞼下垂や縮瞳などホルネル症候群が出現し,その後被膜間摘出術で腫瘍を摘出した。術後2か月経過した時点で神経脱落症状は改善した。神経症状発症から早期であれば手術により症状が改善する可能性が示唆された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.85