局所粘膜弁で再建した軟口蓋腫瘍の3症例

軟口蓋は嚥下,構音にとって重要な役割を果たしている。軟口蓋腫瘍切除後の組織欠損は嚥下や構音に障害をきたす可能性が高く,術後の機能を考えた再建が必要である。再建には欠損範囲に応じて,局所粘膜弁や有茎脂肪弁,遊離皮弁が用いられる。現在日本では高齢化が進む中で耐術能が問題となる場面が多くなっており,欠損範囲を評価し再建が必要であれば,より侵襲の小さい局所粘膜弁による再建が望ましいと考える。今回われわれは軟口蓋腫瘍切除後の組織欠損に対し,それぞれ頰筋粘膜弁,Gehanno法併用頰筋粘膜弁,口蓋弁を用いて軟口蓋の再建を行った3症例を経験した。各症例とも術後経過は良好で軟口蓋再建における局所粘膜弁の有用性...

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Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 1; pp. 49 - 55
Main Authors 竹内, 美緒, 嶋根, 俊和, 木勢, 彩香, 佐々木, 裕奈, 丸山, 祐樹, 勝田, 秀行, 北嶋, 達也, 溝上, 雄大, 古川, 傑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.49

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Summary:軟口蓋は嚥下,構音にとって重要な役割を果たしている。軟口蓋腫瘍切除後の組織欠損は嚥下や構音に障害をきたす可能性が高く,術後の機能を考えた再建が必要である。再建には欠損範囲に応じて,局所粘膜弁や有茎脂肪弁,遊離皮弁が用いられる。現在日本では高齢化が進む中で耐術能が問題となる場面が多くなっており,欠損範囲を評価し再建が必要であれば,より侵襲の小さい局所粘膜弁による再建が望ましいと考える。今回われわれは軟口蓋腫瘍切除後の組織欠損に対し,それぞれ頰筋粘膜弁,Gehanno法併用頰筋粘膜弁,口蓋弁を用いて軟口蓋の再建を行った3症例を経験した。各症例とも術後経過は良好で軟口蓋再建における局所粘膜弁の有用性が示唆された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.49