ライム病感染の予防について

日本で発生するライム病は有毒シュルツェマダニ雌成虫の寄生により病原体のBorrelia burgdorferi sensu latoが伝播されて感染する. 著者らはこれまで寄生マダニを自分ないしは家族が除去した28例と医療機関で外科的に切除した10例について比較検討した結果, 受診前にダニ胴部を指で摘み除去した28例と外科的に切除した2例の皮膚組織から病原体を分離した. 一方, 寄生マダニを皮膚組織と共に外科的に切除した8例はダニから病原体は検出されたが, 皮膚からボレリアは分離されなかった. 以上の結果から寄生ダニは医療機関で外科的処置により除去すると有毒ダニ消化管内より病原体が逆流して宿主...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in感染症学雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 512 - 516
Main Authors 橋本, 喜夫, 宮本, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.05.1998
Online AccessGet full text
ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.512

Cover

More Information
Summary:日本で発生するライム病は有毒シュルツェマダニ雌成虫の寄生により病原体のBorrelia burgdorferi sensu latoが伝播されて感染する. 著者らはこれまで寄生マダニを自分ないしは家族が除去した28例と医療機関で外科的に切除した10例について比較検討した結果, 受診前にダニ胴部を指で摘み除去した28例と外科的に切除した2例の皮膚組織から病原体を分離した. 一方, 寄生マダニを皮膚組織と共に外科的に切除した8例はダニから病原体は検出されたが, 皮膚からボレリアは分離されなかった. 以上の結果から寄生ダニは医療機関で外科的処置により除去すると有毒ダニ消化管内より病原体が逆流して宿主へ移行・感染を阻止する処置方法と考える.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.512